五島製糸場跡(亀山製糸五島工場)
◆所在地:四日市市垂坂町
垂坂観音寺の東の方に、かつて五島製糸場がありました。明治30(1897)年6月に五島小三郎という人物が、三重郡大矢知村大字垂坂であったこの地に設立しました。当初は釜数10個という小規模な工場でした。その後、事業を拡張し、明治32(1899)年には釜数36個となり、新工場も建てられました。明治35(1902)年には美富持製糸という会社を買収して分工場とするなどして急速に発展していき、昭和2(1927)年には釜数194個、従業員
280名、生産額993,298円を誇る三重郡最大の製糸工場にまでなりました。 その後、世界恐慌のあおりを受け、営業不振に陥り、三重製糸に買収され、三重製糸五島工場となり、さらに昭和10(1935)年には、五島工場は亀山製糸の手に渡り、以後は亀山製糸五島工場となりました。戦時中の昭和18(1943)年、日本蚕糸三重工場となったこともありましたが、戦後は亀山製糸に復帰しました。 昭和30年代に工場は閉鎖されてしまい、現在では建物は取り壊され、以下の写真のように土台の石垣や煉瓦だけがむなしく残っております。 |